ビジネスリーダーの為の労務管理塾《労働法編》講義録NO.13

小さな会社・職場のビジネスリーダーの為の労務管理塾

労働法講義 講義録13

今回から、当分の間…賃金について、説明していきます。

労働者の方は、働いて、その見返りにお給料を戴きます。

労働基準法では、「この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞
与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者
に支払うすべてのものをいう。」と定義されています。
されています。

つまり、賃金とは、お給料の事ですね。
ただし、労働基準法では、賞与も退職手当(退職金)も就業規則
などに規定があり、法的に支払い義務があるものは、賃金に含ま
れます。労働基準法は、賃金の範囲が少し広いと思ってください。

労働基準法をはじめいわゆる労働法では、労働の対象を「賃金」
といい…
社会保険では、「報酬」と呼び….
所得税法などでは、賞与などを含め「給与」⇒給料・賞与と呼ん
でいます。

その範囲には、多少、差がありますが、…ここでは、あまり問題
にしないことにします。

今回は、その「賃金」ですが、

賃金を支払う場合(勿論、使用者ですよ)は、労働基準法では、
5原則あり…今日はその5原則を説明しておきます。

原則ですから、当たり前の規定ばかりですが、次回説明する、例外
が特に、ポイントになりますので、今回の原則は、よく、確認し
ましょう!

★賃金は、①通貨で、②直接労働者に、③その全額を支払わなけれ
ばならない。
★賃金は、④毎月一回以上、⑤一定の期日を定めて支払わなければ
ならない。

①→通貨払いの原則(紙幣・硬貨で払ってね!)
②→直接払いの原則(労働者本人に払ってね!)
③→全額払いの原則(ちゃんと、全額払ってね!)
④→毎月1回以上払いの原則(月、1回は払ってね!)
⑤→一定期日払いの原則(給料日を決めて払ってね!)

どれも、大切なことですね。

例外的な取り扱いは、次回説明します。

ビジネスリーダーの為の労務管理塾《労働法編》講義録NO.12

小さな会社・職場のビジネスリーダーの為の労務管理塾

労働法講義 講義録12

「年次有給休暇」7回目となります。今回で、とりあえず!
有給休暇….説明終了です。

平成28年就労条件総合調査によりますと….
平成 27 年(又は平成 26 会計年度)1年間に企業が付与した年次
有給休暇日数(繰越日数 を除く。)は
労働者1人平均 18.1 日(前年 18.4 日)、そのうち労働者が取得
した日数は 8.8 日(同 8.8 日)で、取得率は 48.7%(同 47.6%)
となっている。
取得率を企業規模別にみると、1,000 人以上が 54.7%(同 52.2%)
、300~999 人が 47.1% (同 47.1%) 、100~299 人が 44.8%
(同 44.9%) 、30~99 人が 43.7%(同 43.2%)となっ ている。

平均値の取得率をみますと、平成27年が48.7%、26年よりも1.1%は、
増えていますが、50%を切っています。

エクスペディア「有給休暇国際比較調査2016」によりますと、
支給日数に違いはありますが、…
ブラジル、フランス、スペインなどは、100% アメリカ80%…
日本は、53%の取得率となっています。

今後の方向性として、有給休暇の取得率をあげるため労働基準法
の法改正が予想されます。

リーダーの皆様におかれましては、有給休暇は、請求があれば、与
えなければならないという認識のもと、今後の法改正情報は、しっ
かりチェックして適正な労務管理に役立てていただきたいと思いま
す。

ビジネスリーダーの為の労務管理塾《労働法編》講義録NO.11

小さな会社・職場のビジネスリーダーの為の労務管理塾

労働法講義 講義録11

「年次有給休暇」6回目となります。

年次有給休暇は、原則として労働日単位で与えられます。

ただし、昭和24年の通達に、「年次有給休暇は、1労働日を単位と
するものであるから、使用者は、労働者に半日単位で付与する義務
はないが、請求があった場合に半日単位で与えても差し支えない。」
とあり、半日単位もあり得るということになります。

就業規則をやはりよくチャックしておかないと、いけませんね。

さらに、平成22年4月1日施行の法改正により....、

労使協定(注)を結ぶことにより、時間単位の年次有給休暇が、
可能となりました。

従業員さんから、時間単位の有給休暇の請求があれば、まず、就業
規則等・労使協定書をチェックし、皆さんの事業所で時間単位有給
の制度があるのか?  確認することが大切です!!

(注)「労使協定」とは、当該事業場に、労働者の過半数で組織す
る労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で
組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する
者との書面による協定

ビジネスリーダーの為の労務管理塾《労働法編》講義録NO.10

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労働法講義 講義録10

「年次有給休暇」5回目となります。

本日は、有給休暇期間中の給料のお話です。

有給休暇は、出勤日に休んでも、賃金(給料….)が補償されます。

では、有給休暇中の賃金はどのように決まっているでのしょうか?

労働基準法39条第7項において、
有給休暇中の賃金としては….1労働日あたり、

①平均賃金(労働基準法12条の賃金:原則として過去3か月の平均)
②所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金
③労使協定により健康保険法第40条第1項のいわゆる標準報酬日額

のいずれかで計算します。

①~③のどのパターンで支給するかは、就業規則等でチェックしま
しょう!

その際、確認しておいていただきたいのは、

労働基準法法則第136条に
「使用者は、第39条第1項から第4項までの規定による有給休
暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱い
をしないようにしなければならない。」

という、規定です。

特に、先ほどの②のケースでは、「所定労働時間労働した場合に支払
われる通常の賃金」ということですので、精皆勤手当を付ている事業
所の場合、有給休暇を取得したというだけでは、カットできないこと
になります!

 

また、通勤手当については、それが、通勤に要する費用の負担(実費
弁償的に事業主が負担)であれば、所定労働時間労働した場合に支払
われる賃金に該当しないものと考えられますので、就業規則等の規定
を確認のうえ、その分の通勤手当はカットして差し支えないと考えら
れますが…しっかり、ルール付けしておいた方が、いいでしょう。

ビジネスリーダーの為の労務管理塾《労働法編》講義録NO.9

小さな会社・職場のビジネスリーダーの為の労務管理塾

労働法講義 講義録9

「年次有給休暇」4回目となります。

本日は、有給休暇の比例付与について、説明します。

年次有給休暇の主目的は、リフレッシュ!ということは、以前、説明
いたしました。

では、パート・アルバイト従業員さんの有給休暇はどのようになって
いるのでしょうか?

パート・アルバイト従業員さんについては、その労働時間等により、
有給休暇の付与日数が決まってきます。

決して! パート・アルバイト従業員の方に、有給休暇を付与しなく
てもいい…ということには、なりません!

トラブルも多いので注意が必要です!!

条文は、厚生労働省令を参考としなければなりませんので、省略し、

簡単に説明いたします。

なお、パート・アルバイト従業員の方の有給休暇の付与要件(入社6月、全労働日の8割以上など...)は、正社員と変わりません。

一般的にパート・アルバイト従業員の方は、正社員に比べて、労働時間数や労働日数が短いということで、ストレスの度合いも労働時間や労働日数に比例すると考えて...有給休暇は、比例付与されます。

週3日勤務のパート従業員の方で考えますと....

正社員の有給休暇日数(例:10日)×3日/5.2日
=5.76..
計算結果⇒1日未満切り捨て ∴5日

※通常の労働者(正社員)の1週間平均労働日数⇒5.2日とし
て、計算することになっています。
つまり、週3日労働する人は、正社員が10日有給休暇を付与されるのだったら、正社員が週5.2日平均的に労働するので、比例させて、3/5.2を乗じて計算しているわけです。

具体的な比例付与対象者は、以下のようになります。
A.週所定労働時間が30時間未満かつ週所定労働日数が4日
以下の者

B.週所定労働時間が30時間未満かつ年間所定労働日数が
216日以
下の者
※A.は、労働契約が1週間何日労働するという契約者です。
(週3日勤務等)週を単位に契約しているパートの方などで
す。
※Bは、A.以外の週を単位としない契約のパート・アルバイ
トの方
(月15日勤務等....)週何日とか計算できない場合

以下が有給休暇の付与日数表です。有給休暇比例付与表

パート・アルバイト従業員であっても、A.B.に該当しない
①週の所定労働時間30時間以上の方
②週所定労働日数5日以上の方
③週を単位としない契約者等で1年間の所定労働日数217日以上の方
のいずれかに該当する方は
正社員と同じ付与日数となりますので、注意が必要です!!

 

 

ビジネスリーダーの為の労務管理塾《労働法編》講義録NO.8

小さな会社・職場のビジネスリーダーの為の労務管理塾

労働法講義 講義録8

「年次有給休暇」3回目となります。

有給休暇、何日残っていますか?

日頃、有給休暇を請求しない従業員が、確認のために、有給休暇
の残日数を聞いてきたら….ひょっとすると、退職を考えている
のかもしれません….あるいは、疲れが溜まっているのかも知れ
ません….

日頃から、コミュニケーションをしっかりとっておかないと…

今回は、法定有給休暇の残日数の計算です。

その説明に入る前に、消滅時効について...

労働基準法第115条
「この法律の規定による賃金(退職手当を除く。)、災害補償そ
の他の請求権は2年間、この法律の規定による退職手当の請求権
は5年間行わない場合においては、時効によつて消滅する。 」

退職手当(退職金)の請求権は、5年...それ以外の賃金、災
害補償その他の請求権は、2年...請求せずに放っておくと、
時効になり、請求する権利が消えますよ...

有給休暇も全労働日の8割以上継続勤務等により、時季を指定し
て請求する権利⇒(請求権)です。よって、請求せずに放ってお
くと、2年で消えてしまいます。

有給休暇の時効は、基準日から起算して2年となります。
結論をいいますと、基準日は、その期間の出発点なので、その
1年間に未消化の有給休暇は、翌期間の末日(当期間の期首から
2年)までに限り繰越すことができ、翌々期間は、時効となり
繰越せないということです。
つまり、翌期間のみ未消化の有給は繰り越せる!

残日数を計算する場合には、その点も考慮します。

それでは、本題に入ります。

法定有給の取得日数は、前回、説明いたしました。

例えは、平成25年10月1日入社の正社員Aさん(全労働日の8割以
上勤務という前提で考えていきます。)

先ず、入社後、6箇月経過後(平成26年4月1日⇒ここから法定有
給休暇が付与される※基準日)からの1年間(平成26年4月1日から
平成27年3月31日)に10労働日、付与されます。次は、(平成27年
4月1日~平成28年3月31日)は、1労働日増えて、11労働日、次は、
(平成28年4月1日~平成29年3月31日)は、また、1労働日増えて
12労働日、次は、(平成29年4月1日~平成30年3月31日)は、2労
働日増えて、14労働日…..

では、Aさんの有給休暇取得状況は以下の通りとして、…
平成26年4月1日~平成27年3月31日 有給休暇3日取得
平成27年4月1日~平成28年3月31日 有給休暇6日取得
平成28年4月1日~平成29年3月31日 有給休暇13日取得
平成29年6月に3日有給を取得

平成29年8月20日に、Aさんが、「私の有給休暇は何日残っていま
か?」と質問がありました。

Aさんの年次有給休暇の基準日は、入社6月経過した時の月日、
つまり、毎年4月1日となります。(8月1日入社の場合の基準日は、
毎年2月1日ですね。)

よって、

●平成27年3月31日時点の残日数  3日消化
・10日-3日=7日(次期に繰り越し)

●平成28年3月31日時点の残日数  6日消化
先ずは前期繰越分から
・前期繰越7日-6日=1日⇒0日 ※時効で繰越不可!
・新規付与11日(次期に繰り越し)

●平成29年3月31日時点の残日数  13日消化
先ずは前期繰越分から
・前期繰越11日-11日=0日
次に新規付与分から
・新規付与12日-2日=10日(次期に繰り越し)

●平成29年8月20日時点の残日数 3日消化
・前期繰越10日-3日=7日
・新規付与14日

結局、平成29年8月20日時点では、7日+14日=21日となります。
21日のうち、7日は、時効の関係で平成30年3月31日までに消化し
ないと、消えてしまします!

今回は、原則的なケースで、説明しました。

事業所によっては、年次有給休暇の斉一的取扱い(例えば、全労
働者、基準日を一律4月1日とする…)や分割付与(例えば、入
社後6月経過前に10日のうちの5日を分割して先に与える…)
をしていたり、前期繰越分がある場合でも、前期繰越分から消化
せず、当期新規付与分から消化していく場合など、例外的な形も
存在します。

例外的な取り扱いなどは、就業規則に規定があるばずです。
就業規則がどうなっているか? 必ず確認すべきです!!

 

 

ビジネスリーダーの為の労務管理塾《労働法編》講義録NO.7

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労働法講義 講義録7

本回のテーマは、…前回に引き続き「年次有給休暇」2回目となり
ます。

前回は、「有給休暇の目的」をお伝えしました。

今回は、有給休暇の日数計算をお伝えいたします。

労働基準法39条
第1項
「使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働
日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労
働日の有給休暇を与えなければならない。」

第2項
「使用者は、1年6箇月以上継続勤務した労働者に対しては、雇入れ
の日から起算して6箇月を超えて継続勤務する日(以下「6箇月経過
日」という。)から起算した継続勤務年数1年ごとに、前項の日数に
、次の表の上欄に掲げる6箇月経過日から起算した継続勤務年数の区
分に応じ同表の下欄に掲げる労働日を加算した有給休暇を与えなけれ
ばならない。ただし、継続勤務した期間を六箇月経過日から1年ごと
に区分した各期間(最後に1年未満の期間を生じたときは、当該期間)
の初日の前日の属する期間において出勤した日数が全労働日の8割未
満である者に対しては、当該初日以後の1年間においては有給休暇を
与えることを要しない。

6箇月経過日から起算した継続勤務年数   労働日
1年          1労働日
2年           2労働日
3年          4労働日
4年           6労働日
5年          8労働日
6年以上        10労働日

ちょっと、条文が難しいので…..

入社から6箇月、全労働日(簡単に言うと、働くべき日等)8割以上
継続勤務すれば、6箇月経過後の1年間、10日有給をあげましょう。
その1年間に全労働日の8割以上継続勤務すれば、1労働日増やして
11日有給をあげましょう。あと、同様に、1年カウント、8割以上
で、12日、14日、16日、18日、20日と増えていき、入社か
ら6年半たてば、あとは、20日のまま、増えない! ということ
になります。

最初は、10日、あとは、1ずつ増え、11日、12日、次から2日
ずつ増えて14日、16日、18日、20日…後は20日…

これは、あくまでも、労働基準法39条第1項、第2項ののいわゆる
法定有給の事です。

会社が独自に、法定有給を超える有給休暇を付与することは、何ら、
問題ありません。

今一度、皆さんの、就業規則を確認してみましょう!!

次回は、残日数の計算をお伝えします。

ビジネスリーダーの為の労務管理塾《労働法編》講義録NO.6

小さな会社・職場のビジネスリーダーの為の労務管理塾

労働法講義 講義録6

本回のテーマは、…「年次有給休暇」1回目です…数回にわけて説明
致します。

この間も、年配の社長様よりご相談がありました。

「従業員が、有給休暇の残日数を教えてくれと言ってきた。」
さらに、有給を消化して退職したいらしい。ということでした。

最近の退職者は、判で押したように有給休暇を消化して退職していく…
ある経営者の一言...同感です!

インターネット、SNS...情報の加速化! 情報の共有化!..
の結果...これからも、同様のことが続く可能性は大です。

ところで、

有給休暇の目的とは! 何でしょうか??

労働基準法39条第1項
「使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働
日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労
働日の有給休暇を与えなければならない。」

現代は、超?! ストレス社会です。

労働者は、入社後6カ月間(平成6年4月前は、1年間...)勤務
日の8割以上働けば...ストレスも溜まるはずです...そこで、
6カ月経過から、1年間に、10働く日...休んでも、給料を保証し
ますよ…しっかり、リフレッシュして、次も頑張りましょう! という
ことです。

つまり! 有給休暇の主目的は、リフレッシュ! です。

何かと、トラブルの多い有給休暇...先ずは、目的を確認しましょう!

ビジネスリーダーの為の労務管理塾《労働法編》講義録NO.5

小さな会社・職場のビジネスリーダーの為の労務管理塾

本日のテーマも…「有期労働契約」です…

平成25年4月に労働契約法が改正され….その法改正のひとつに、

第18条
「同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約(契約期間の
始期の到来前のものを除く。以下この条において同じ。)の契約期間を
通算した期間(次項において「通算契約期間」という。)が5年を超え
る労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約
期間が満了する日までの間に、当該満了する日の翌日から労務が提供さ
れる期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は
当該申込みを承諾したものとみなす。この場合において、当該申込みに
係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件は、現に締結して
いる有期労働契約の内容である労働条件(契約期間を除く。)と同一の
労働条件(当該労働条件(契約期間を除く。)について別段の定めがあ
る部分を除く。)とする」

があります。

これは、平成25年4月以降の最初の新たな有期労働契約(勿論、更
新後の契約も!)を締結し、その労働契約締結からの通算契約期間が
5年を超える
労働者は、無期契約の申し出をすれば、使用者(会社)側
は、無期契約の承諾をしたものとみなす。

ということで…

特に、平成25年4月以降、1年契約や6カ月契約で有期労働契約を
締結し、更新をしている場合には、丁度、5年経過が平成30年4月
以降となりますので、平成30年度から、無期労働契約への転換の申
出が本格的になってくると思われます。

その時になって、慌てないように、労働契約内容の確認が必要です!

ただし、これは、有期から無期に変わるだけであり、契約期間以外の
労働条件まで変更となる訳ではありません。

また、契約期間と契約期間の間に、原則として6カ月以上空白期間
ある場合には、クーリング期間となり、通算契約期間には、算入され
なくなりますが、空白の直前に終了した契約期間等が1年未満の場合に
は、例外として、6カ月未満の所定期間がクーリング期間となる場合が
あります。

リーダーの皆様は、日頃から従業員の労働契約内容を常に確認し、最
新の法令のもと、適切に労務管理を行ってい行きましょう。

ビジネスリーダーの為の労務管理塾《労働法編》講義録N0.4

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労働法講義 講義録4

本日のテーマは、前回に続き…「有期労働契約」です….

前回で、期間の定めをする場合は、原則3年、特例で、5年まで、
契約できることを確認しました。勿論、建設工事など、事業の完了
に必要な期間が3年を超えていようが...その期間までは、有期
労働契約が可能であるという例外はありましたが....

有期労働契約の従業員の方がいらっしゃる場合、トラブルが多い
ケースとして、「雇い止め」があります。

「雇い止め」とは。有期労働契約期間満了により、契約更新をしない
とですが...

例えは、有期労働契約を結ぶ時に、3つパターンが存在します。

パターン1・・・契約期間満了後、更新しない。
これは、最初から更新しないと言っているので、雇い止めのトラブル
には、通常、ならないでしょう。

パターン2・・・契約期間満了後、更新する。
これは、最初から更新すると言っているので、もし、雇い止めになる
と、大きなトラブルとなることが予想されます。
ただし、このような契約は、あまり見受けられませんが…

パターン3・・・契約を更新する場合があり得る。
通常、パータン3の有期労働契約が多く見受けられますが、この
場合には、第2回講義録にもありましたように、労働条件の明示をす
る場合、更新をする場合の基準に関する事項も明示する必要があります。

例えば…
「契約期間満了時の業務量」「従事している業務の進捗状況」「有期
の労働契約者の当該期間における勤務態度・勤務成績・職務遂行能力」
「契約期間満了時の健康状態」…

更に…
「使用者は、有期労働契約(当該契約を3回以上更新し、又は雇入れ
の日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係るものに限り、
あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されている ものを除く。)
を更新しないこととしようとする場合には、少なくとも当該契約期間の
満了する日の 30日前までに、その予告をしなければならない。」
(平成24年厚生労働省告示551号)
有期労働契約更新を3回以上か、又は有期労働契約を1年超のどちら
の従業員を雇い止めする場合は、期間満了日の30日前までに、予告
義務が発生します。

パートタイマー、アルバイトの方に多い有期労働契約…
特に、雇止めトラブルには注意が必要です。