ビジネスリーダーの為の労務管理塾《労働法編》講義録NO.6

小さな会社・職場のビジネスリーダーの為の労務管理塾

労働法講義 講義録6

本回のテーマは、…「年次有給休暇」1回目です…数回にわけて説明
致します。

この間も、年配の社長様よりご相談がありました。

「従業員が、有給休暇の残日数を教えてくれと言ってきた。」
さらに、有給を消化して退職したいらしい。ということでした。

最近の退職者は、判で押したように有給休暇を消化して退職していく…
ある経営者の一言...同感です!

インターネット、SNS...情報の加速化! 情報の共有化!..
の結果...これからも、同様のことが続く可能性は大です。

ところで、

有給休暇の目的とは! 何でしょうか??

労働基準法39条第1項
「使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働
日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労
働日の有給休暇を与えなければならない。」

現代は、超?! ストレス社会です。

労働者は、入社後6カ月間(平成6年4月前は、1年間...)勤務
日の8割以上働けば...ストレスも溜まるはずです...そこで、
6カ月経過から、1年間に、10働く日...休んでも、給料を保証し
ますよ…しっかり、リフレッシュして、次も頑張りましょう! という
ことです。

つまり! 有給休暇の主目的は、リフレッシュ! です。

何かと、トラブルの多い有給休暇...先ずは、目的を確認しましょう!

ビジネスリーダーの為の労務管理塾《労働法編》講義録NO.5

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本日のテーマも…「有期労働契約」です…

平成25年4月に労働契約法が改正され….その法改正のひとつに、

第18条
「同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約(契約期間の
始期の到来前のものを除く。以下この条において同じ。)の契約期間を
通算した期間(次項において「通算契約期間」という。)が5年を超え
る労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約
期間が満了する日までの間に、当該満了する日の翌日から労務が提供さ
れる期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は
当該申込みを承諾したものとみなす。この場合において、当該申込みに
係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件は、現に締結して
いる有期労働契約の内容である労働条件(契約期間を除く。)と同一の
労働条件(当該労働条件(契約期間を除く。)について別段の定めがあ
る部分を除く。)とする」

があります。

これは、平成25年4月以降の最初の新たな有期労働契約(勿論、更
新後の契約も!)を締結し、その労働契約締結からの通算契約期間が
5年を超える
労働者は、無期契約の申し出をすれば、使用者(会社)側
は、無期契約の承諾をしたものとみなす。

ということで…

特に、平成25年4月以降、1年契約や6カ月契約で有期労働契約を
締結し、更新をしている場合には、丁度、5年経過が平成30年4月
以降となりますので、平成30年度から、無期労働契約への転換の申
出が本格的になってくると思われます。

その時になって、慌てないように、労働契約内容の確認が必要です!

ただし、これは、有期から無期に変わるだけであり、契約期間以外の
労働条件まで変更となる訳ではありません。

また、契約期間と契約期間の間に、原則として6カ月以上空白期間
ある場合には、クーリング期間となり、通算契約期間には、算入され
なくなりますが、空白の直前に終了した契約期間等が1年未満の場合に
は、例外として、6カ月未満の所定期間がクーリング期間となる場合が
あります。

リーダーの皆様は、日頃から従業員の労働契約内容を常に確認し、最
新の法令のもと、適切に労務管理を行ってい行きましょう。

ビジネスリーダーの為の労務管理塾《労働法編》講義録N0.4

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労働法講義 講義録4

本日のテーマは、前回に続き…「有期労働契約」です….

前回で、期間の定めをする場合は、原則3年、特例で、5年まで、
契約できることを確認しました。勿論、建設工事など、事業の完了
に必要な期間が3年を超えていようが...その期間までは、有期
労働契約が可能であるという例外はありましたが....

有期労働契約の従業員の方がいらっしゃる場合、トラブルが多い
ケースとして、「雇い止め」があります。

「雇い止め」とは。有期労働契約期間満了により、契約更新をしない
とですが...

例えは、有期労働契約を結ぶ時に、3つパターンが存在します。

パターン1・・・契約期間満了後、更新しない。
これは、最初から更新しないと言っているので、雇い止めのトラブル
には、通常、ならないでしょう。

パターン2・・・契約期間満了後、更新する。
これは、最初から更新すると言っているので、もし、雇い止めになる
と、大きなトラブルとなることが予想されます。
ただし、このような契約は、あまり見受けられませんが…

パターン3・・・契約を更新する場合があり得る。
通常、パータン3の有期労働契約が多く見受けられますが、この
場合には、第2回講義録にもありましたように、労働条件の明示をす
る場合、更新をする場合の基準に関する事項も明示する必要があります。

例えば…
「契約期間満了時の業務量」「従事している業務の進捗状況」「有期
の労働契約者の当該期間における勤務態度・勤務成績・職務遂行能力」
「契約期間満了時の健康状態」…

更に…
「使用者は、有期労働契約(当該契約を3回以上更新し、又は雇入れ
の日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係るものに限り、
あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されている ものを除く。)
を更新しないこととしようとする場合には、少なくとも当該契約期間の
満了する日の 30日前までに、その予告をしなければならない。」
(平成24年厚生労働省告示551号)
有期労働契約更新を3回以上か、又は有期労働契約を1年超のどちら
の従業員を雇い止めする場合は、期間満了日の30日前までに、予告
義務が発生します。

パートタイマー、アルバイトの方に多い有期労働契約…
特に、雇止めトラブルには注意が必要です。

 

ビジネスリーダーの為の労務管理塾《労働法編》講義録NO.3

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本日のテーマは…「有期労働契約」です….

この有期労働契約は、特にパートタイマーの方に多いと思いますが…
労務管理上、非常に重要です!   数回に分けて説明して参ります。

皆様の会社、事業所、部署には、6カ月契約の従業員さん、1年契約
の従業員さんなど….期間を定めた労働契約従業員の方はいらっしゃ
いませんでしょうか?

その期間の定めのある労働契約が、有期労働契約となります。

労働基準法14条「労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の
事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年(次の各号のいず
れかに該当する労働契約にあつては、5年)を超える期間について締結
してはならない。

1.専門的な知識、技術又は経験(以下この号において「専門的知識等」
という。)であつて高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に
該当する専門的知識等を有する労働者(当該高度の専門的知識等を
必要とする業務に就く者に限る。)との間に締結される労働契約
2.満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約(前号に掲げる労
働契約を除く。)

有期労働契約というのは、その期間は、働いてもらいますよ!
はい! 了解しました。

その期間は、働かせてもらいます!
期待してますからね!

と…..期間を決めていますので….

その間は、原則として、使用者側から、解雇(使用者側からの一方的な
労働契約の解約)は出来ませんし、

労働者側からも、原則として途中で、辞めたいとは、言えない….
ということになります。

そのくらい、拘束性が強く、人身拘束につながりかねないので、
条文にありますように、有期労働契約を結ぶ場合、最高3年間ですよ…と、
規定していのです。

また、高度の専門的知識を有し、それを必要とする業務に就く者は、折角
そういった専門の人に働いていただくので、最高5年間契約まで、認めよ
うということです。

60歳以上の労働者は、高年齢者の雇用対策等を考慮して、最高5年間の
有期労働契約が認められています。

一定の事業の完了に必要な期間を定めるものは、例えば、ダム工事のよう
に、完成までに、長期間かかるようなものは、その完了に必要な期間まで
は、有期労働契約を結んでいいですよ! そのほかは、3年(5年)が
最高ですよ….ということです。  (次回講義録へ続く)

ビジネスリーダーの為の労務管理塾《労働法編》講義録NO.2

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本日のテーマは…「労働契約・労働条件の明示」です。
皆さんの職場では、ちゃんと労働契約を交わしていますか?
労働条件を明示されていますか??

契約なんか交わした記憶ない! ご勘弁を~!
ハローワークに出した求人票に労働条件ばっちり書いているし,
それを見て、面接試験に応募してきたんだし、この条件で、
良ければ、来週の月曜日から出社してね!
て言ってあるのでこれは立派な労働契約!?

実際、こういった事業所…時々、お見掛けします。

お互いが労働条件について合意しているっていうことであれば、
労働契約でしょうが…

「労働契約法第3条第1項:労働契約は、労働者及び使用者が対等
の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとする。」

「労働契約法第6条:労働契約は、労働者が使用者に使用されて
労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、
労働者及び使用者が合意することによって成立する。」

しかし、かっちりと、書面等にしておかないと、
あとで、トラブルの元に!

「労働契約法第4条第2項:労働者及び使用者は、労働契約の内容
(期間の定めのある労働契約に関する事項を含む。)について、
できる限り書面により確認するものとする。」

「労働基準法第5条:使用者は、労働契約の締結に際し、労働者
に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。
この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の
厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法
(書面)により明示しなければならない。」

他にもいわゆるパートタイム労働法にも書面明示の規定があります。
(昇給の有無)(賞与の有無)(退職手当の有無)(相談窓口)

労働者の労働条件…今一度、しっかりとチェックし、
実態と合っているか…確認しておきましょう!

もちろん、実態に合っていない場合、適正に変更する必要があります!!

因みに労働基準法の明示事項は以下の通り!
(うち、1~4と6は書面で明示!
5、7~14は、書面でなくてもかまいませんが、書面で明示した方が、
トラブル防止になります!!

え! こんなに!! そう、こんなに!!

【絶対的明示事項】明示が義務づけられています!
1.労働契約の期間に関する事項・期間の定めのある労働契約を更新する場合
 の基準に関する事項(期間満了後更新する場合があるものの契約締結に
 限る。)
2.就業の場所、従事すべき業務に関する事項
3.始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働(早出、残業など)の
 有無、休憩時間、休日、休暇および交替制勤務をさせる場合は就業時
 転換に関する事項
4.賃金(退職手当、臨時に支払われる賃金、賞与等は除きます。)の決定、
 計算・支払いの方法および賃金の締切り・支払いの時期に関する事項
5.昇給に関する事項
6.退職に関する事項(解雇の事由を含む)※退職の事由及び手続の明示も

【相対的明示事項】定めがあれば、明示する事項
7.退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、
 計算・支払いの方法 および支払いの時期に関する事項
 ※退職手当⇒退職金
8.臨時に支払われる賃金、賞与など、最低賃金に関する事項
9.労働者に負担させる食費、作業用品その他に関する事項
10.安全及び衛生に関する事項
11.職業訓練に関する事項
12.災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
13.表彰及び制裁に関する事項
14.休職に関する事項

※条文の並びと少し変えています。

ビジネスリーダーの為の労務管理塾 《労働法編》講義録NO.1

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労働法って??

リーダーの皆様に質問です! 労働法ってどんな法律でしょうか?

【答え】

…六法全書を見ても、労働法という法律はありません...(>_<)

では、いったい! 「労働法」とは…???

使用者(会社・お店など…雇う側)と労働者(会社員など…雇われる側)
では、使用者の方が、一般的には、優位ですよね!

そこで、立場が弱い労働者を、保護したり、労働者の働く上でのリスクに対
応するため、労働に関する色々な法律等が定めているのです。

労働に関する法律(政令・省令・規則等を含む)…すなわち、「労働法」
…色々な法律がありますよ!

労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法、いわゆるパートタイム労働法、
男女雇用機会均等法、育児介護休業法…もう少し拡大して!…健康保険法,
厚生年金保険法….etc...

ビジネスリーダーの為の労務管理塾 《労働法編》講義録NO.0

小さな会社・職場のビジネスリーダーの為の労務管理塾

最近、多い! 職場の人的トラブル !

事業主、役員、店長、マネージャー、幹部、部長、課長、主任…

ビジネスにおけるリーダー(ビジネスリーダー)は大変です!!

人的トラブルが多い組織に、人は育ちません!

そのトラブル解決のヒントになるのが、「労働法」です!!

「労働法」の講師歴20年の現役社会保険労務士である私が、

ビジネスリーダー必須の基礎知識!

「労働法」(労働者の労働に関する法令など)の基礎を………..

ビジネスリーダーの視点でお伝えしていきます。