ビジネスリーダーの為の労務管理塾《労働法編》講義録NO.2

本日のテーマは…「労働契約・労働条件の明示」です。
皆さんの職場では、ちゃんと労働契約を交わしていますか?
労働条件を明示されていますか??

契約なんか交わした記憶ない! ご勘弁を~!
ハローワークに出した求人票に労働条件ばっちり書いているし,
それを見て、面接試験に応募してきたんだし、この条件で、
良ければ、来週の月曜日から出社してね!
て言ってあるのでこれは立派な労働契約!?

実際、こういった事業所…時々、お見掛けします。

お互いが労働条件について合意しているっていうことであれば、
労働契約でしょうが…

「労働契約法第3条第1項:労働契約は、労働者及び使用者が対等
の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとする。」

「労働契約法第6条:労働契約は、労働者が使用者に使用されて
労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、
労働者及び使用者が合意することによって成立する。」

しかし、かっちりと、書面等にしておかないと、
あとで、トラブルの元に!

「労働契約法第4条第2項:労働者及び使用者は、労働契約の内容
(期間の定めのある労働契約に関する事項を含む。)について、
できる限り書面により確認するものとする。」

「労働基準法第5条:使用者は、労働契約の締結に際し、労働者
に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。
この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の
厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法
(書面)により明示しなければならない。」

他にもいわゆるパートタイム労働法にも書面明示の規定があります。
(昇給の有無)(賞与の有無)(退職手当の有無)(相談窓口)

労働者の労働条件…今一度、しっかりとチェックし、
実態と合っているか…確認しておきましょう!

もちろん、実態に合っていない場合、適正に変更する必要があります!!

因みに労働基準法の明示事項は以下の通り!
(うち、1~4と6は書面で明示!
5、7~14は、書面でなくてもかまいませんが、書面で明示した方が、
トラブル防止になります!!

え! こんなに!! そう、こんなに!!

【絶対的明示事項】明示が義務づけられています!
1.労働契約の期間に関する事項・期間の定めのある労働契約を更新する場合
 の基準に関する事項(期間満了後更新する場合があるものの契約締結に
 限る。)
2.就業の場所、従事すべき業務に関する事項
3.始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働(早出、残業など)の
 有無、休憩時間、休日、休暇および交替制勤務をさせる場合は就業時
 転換に関する事項
4.賃金(退職手当、臨時に支払われる賃金、賞与等は除きます。)の決定、
 計算・支払いの方法および賃金の締切り・支払いの時期に関する事項
5.昇給に関する事項
6.退職に関する事項(解雇の事由を含む)※退職の事由及び手続の明示も

【相対的明示事項】定めがあれば、明示する事項
7.退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、
 計算・支払いの方法 および支払いの時期に関する事項
 ※退職手当⇒退職金
8.臨時に支払われる賃金、賞与など、最低賃金に関する事項
9.労働者に負担させる食費、作業用品その他に関する事項
10.安全及び衛生に関する事項
11.職業訓練に関する事項
12.災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
13.表彰及び制裁に関する事項
14.休職に関する事項

※条文の並びと少し変えています。