ビジネスリーダーの為の労務管理塾《労働法編》講義録NO.19

労働法講義 講義録19

今回は、前回に続きまして36協定についてのお話になりますが...
特別条項付きの36協定についてです。

前回の講義では、…
所定の事業・業務を除き、時間外労働時間には、
「限度」が決まっていました。

因みに、通常は1箇月でいうと45時間が限度となっていました。

この45時間というのは、…
時間外労働が45時間を超えたあたりから、徐々に過労死リスク
が高まると言われていて...

80時間超の段階で、グレーゾーン...

100時間超えたあたりからブラックゾーンといわれています。

ただし、実際は、「限度」(例えば、月45時間、1年360時間...)
を超えて時間外労働をするケースがありますよね。

どういうことかといいますと...
36協定に特別条項を付けることにより、「限度」を超えることが
認められています。

【...限度時間以内の時間を一定期間につ いての延長時間の原則
(以下「原則となる延長時間」という。 )として定めた上で,限度時
間を超えて労働時間を延長しなければならない特別の事情が生じたと
き に限り、一定期間として協定されている期間ごとに、労使当事者
間において定 める手続を経て、限度時間を超える一定の時間
(以下「特別延長時間」という。) まで労働時間を延長することがで
きる旨を協定すれば(この場合における協定 を「特別条項付き協定
という。以下同じ。)、当該一定期間についての延長時間は限度時間
を超える時間とすることができることとされているところである。..
...】 平成15.10.22基発1022003号

特別な事情臨時的なものに限る。できるだけ、具体的に定める!
●1日を超え3箇月以内の一定期間について、原則となる延長時間を
超え、特別延長時間まで労働時間を延長できる回数(1年のうち
半分を超えないもの→最大6月分の回数分)を協定
●1日を超え3箇月以内期間、1年ごとに割増率を定めるなど...
あくまでも、特例措置ですので、条件が付いています。

このように特別条項付き36協定届を提出することにより、「限度」
を超えて時間外労働が可能となりますが、

月80時間を超える法定時間外労働は、労働基準監督署の立入調査
の対象となりますので...業務効率を上げて時間外労働を減らす
工夫が必要となります。